特集 : 岩井将門まつり 時代絵巻で魅了
平将門生誕1111年を記念した「第40回岩井将門まつり」が10日、坂東市岩井の岩井センターモールで開かれ、相馬野馬追騎馬隊の15騎が福島県南相馬市から参加し、馬を戦略的に活用したとされる将門の軍勢を現代によみがえらせ、集まった多くの観光客の目を楽しませた。
相馬野馬追は将門にルーツを持つ神事。野生馬を敵兵に見立て軍事訓練したことに始まるとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。同騎馬隊の参加は3回目。
南相馬市の北郷騎馬会代表世話人の牛渡康光さんは開会式で「従来の野馬追の姿に戻るのにはまだ時間がかかる」と、東日本大震災と福島第1原発事故で受けた深刻な被害に触れつつ「来年は当地に来ていただき、生の野馬追をご堪能いただきたい」とあいさつした。
過去最大規模という200人超の武者行列は、将門の誕生から波乱の生涯をたどる物語形式で展開。将門役は市観光協会長の吉原英一市長が、将門の父に当たる良将役は同協会の中山茂副会長が演じた。市観光協会によるとまつりには約12万人の観光客が訪れた。
「野馬追の実物は迫力がある」と、取手市から夫婦兄弟6人で訪れた小関多美男さん(66)。毎年来るという同市幸田の小林忠勝さん(75)は「武者姿で馬に乗る姿はなかなかみられない。勇壮ですごい」と話した。